お知らせ |日本共産党 金沢市議員団

お知らせ

私は、日本共産党市議員団を代表し、議会議案第15号「国の予算編成見直しに当たり十分な予算措置、財源確保等の必要な対応を求める意見書」について、反対の立場から討論を行います。

高市政権は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針2026」を閣議決定しました。しかし、その内容には重大な問題があります。

第一は、大企業に対する例のない直接支援です。成長戦略では、AI・半導体や防衛産業など17分野、62項目を戦略分野とし、2040年度までの15年間で、官民合わせて370兆円を超える投資を行うとしています。しかし、大企業への投資を増やせば経済が成長するというトリクルダウンの政策は、すでに失敗が明らかです。ごく一部の大企業や富裕層に富が集中し、賃金は上がらず、日本の経済成長は停滞しました。高市政権はその反省もなく、大企業への直接支援をさらに拡大しようとしています。

第二は、憲法も国民の暮らしも踏みにじる軍事経済化です。「骨太」では、「安保3文章」を改定し、「5年以内に防衛力の変革を実現する」ことを明記しました。アメリカ・トランプ政権が求めるGDP比3・5%の防衛費拡大に突き進もうとしています。「防衛産業」を戦略分野に位置づけ、兵器を生産する国有工場まで提言しました。経済にとって平和こそが最大の基盤であり、破壊しか生まない戦争で、経済成長などありえません。

一方で、国民が求める消費税減税は示されず、最低賃金1500円の目標も先送りされました。長時間労働や裁量労働制の対象拡大、高齢者医療の自己負担3割への見直しなど、社会保障の切り捨てを宣言しています。高市政権に暮らしの願いを託した国民の期待は、大きく損なわれています。

すでに、2027年度予算編成に向けた概算要求は、一般会計で143兆円を超え、過去最大となっています。防衛費は過去最大の8兆8908億円の要求から、さらに膨らむ見通しです。こうした青天井の要求を認め続ければ、暮らしも財政も破綻し、日本の平和をも危うくします。大企業や軍事への大盤振る舞いをやめ、社会保障や防災、教育など暮らしを支える分野にこそ大胆に予算を配分すべきです。

この意見書は、こうした「骨太の方針2026」に基づく予算編成において、地方公共団体が、増大する財政需要に対応し、行政サービスを安定的に提供し続けられるよう、必要な措置を国に求めるものです。地方自治体に必要な財源を確保すること自体は当然のことです。しかし、その前提となる国の基本方針が、大軍拡と大企業支援という二つのバラマキを進め、そのツケを社会保障削減や国民負担にまわす内容である以上、地方の暮らしを守ることにはつながらず、この意見書に同意することはできません。  大企業や富裕層に応分の税負担を求める税制へ転換し、働く人が生み出す富を、働く人と国民の暮らしに還元する抜本的な改革を進めること、そして、暮らし・人権・平和を守る国づくりを実現する決意を述べて、反対討論とします。

わたしは日本共産党市議員団を代表し、議会議案第9号「都市型水害への新たな対策・支援を求める意見書」の提案理由を述べます。

今年の夏は、千葉県をはじめ、東海、北陸など各地で豪雨が発生し大きな被害が出ました。特に千葉県を襲った豪雨は、都市型水害の危険性と想定を超す大雨への新たな備えの必要性を、改めて突きつけています。死者13名にのぼり、多くが浸水した車中や冠水した道路でお亡くなりになり、住宅被害は9日時点で6220棟にものぼります。

「内水氾濫」によって道路に水があふれ、地下空間が浸水、河川の氾濫や土砂災害が想定されていない場所で大きな被害をもたらしました。

これまで、都市下水道の排水能力は一般的に1時間50ミリに対応するように計画されてきました。一方、千葉市では2017年に、対策が急がれる「重点地区」について1時間65ミリに引き上げるとし公園地下の雨水貯留槽整備なども行ってきたのですが今回、100ミリ超の豪雨に見舞われたのです。

増大するリスクに見合った、従来の延長線上でない排水処理基準や治水計画、ハザードマップの見直し、施設整備などの対策が迫られており、そのためには国が財源を投入することが必要です。

そして今回千葉市では、2500台の車が路上に取り残されました。路上の車の撤去、保管場所確保、所有者への連絡など自治体の負担は大きく、レッカー業者の広域応援体制構築、放置車両の緊急撤去費用を国が支援する制度の創設が必要です。

また、アンダーパスや窪地の冠水についても対策の強化が必要です。千葉市の国道では非常用電源の不作動で排水設備や進入禁止の電光掲示板が働かず死者が出ました。非常用電源、電光掲示板、遮断機、排水ポンプの設置・維持管理とともに、電源不作動でも浸水状況がわかる対策なども検討されるべきです。

さらに、拠点病院地下の電気設備冠水で医療機能が果たせなくなったことも重大です。今後の対策とともに、電源車の配置など国が広域的な調達と優先順位の調整に責任をもって対応すべきです。

人々の生活と生業の再建も急がれます。既存の制度では対応されない、水に浸かった家電や、ことに車両に対する新たな支援制度の創設を検討すべきです。被災者生活再建支援金を、浸水した事業者・店舗、床下浸水世帯にも適用することや、被災業者、農家などへの損害補償、無利子融資など国による強力な財政支援が求められています。

この意見書は、気候危機により各地で短時間豪雨が頻発している中、都市型水害に対し、国をあげたあらたな防災の見直しと被災自治体・被災者支援の新しい枠組みを求めるものです。各議員のご賛同を求め提案理由の説明といたします。


私は、日本共産党市議員団を代表して、反対討論を行います。
わが党は、提出された議案15件のうち、議案第28号について、その内容の3点について同意できないことから議案に反対であります。
物価高騰が続き、多くの市民が「生活が苦しい」「節約にも限界がきた」「なんとかならないのか」と声を上げ、「給料は上がらないのに、物価だけが上がっている」「年金だけではとても暮らしていけない」と怒りともいえる声が広がっています。
こうした声を受け止め、金沢市政において、市民生活と営業を守ることを最優先する取り組みが求められています。
こうした立場から、補正予算について、その内容の3点に反対であり、その主な理由を述べます。


第一に、日本銀行金沢支店跡地利用についてです
都市再生緊急整備地域指定された金沢駅東地域での開発事業として旧日本銀行の跡地利用が進められています。旧日本銀行の跡地を45億円で取得し、当面、21世紀美術館のリニュアルに伴う仮設利用をはじめ、施設を活用するとして、7億7千万円が投入され、今回、日本銀行金沢支店跡地先行利活用整備費として2千万円が計上されました。さらに周辺用地取得をすすめるとしています。こうした事業は、市民の理解と合意のないまま進められており、反対です。


第二に、連節バスを導入するとして1億4360万円の予算が計上されました。
すでに導入した福岡市や新潟市などから、次のような課題が提起されています。
第1に、路線バスで十分乗客を収容できたことから連節バス導入する必要がない。多額の公費支出は、いわば「シンボル性」としか思われないが、そのシンボル性が薄くなっている。
第2に、連節バス導入には、専用バスレーンが必要であり、そこまで対応できない。
第3に、運転手不足を導入の理由にしているが、逆に、連節バス導入に係る経費を運転手の賃金アップなど環境整備にまわした方がよい。
第4に、安全性や道路環境整備など問題点がなくなってはいない。
こうした状況があるだけに、金沢での連節バス導入について、充分な検討がされず
課題解決が図られていないことから反対です。


第三に、企業立地助成金についてです。
森本地区にある金沢テクノパークに進出した渋谷工業に対し、1億7500万円の助成金が支払われるものです。先端産業を誘致するとして金沢テクノパークが総事業費295億円で造成され平成4年3月に開発造成工事が始まってから32年を経てようやくすべての立地が完了しました。誘致を目的に、様々な利便が図られ、企業立地助成金もそのひとつです。他の工業用地の場合、立地助成金は最大3億円ですが、金沢テクノパークは5億円となっています。雇用助成金もほかの工業用地では一人20万円、上限が4000万円ですが、金沢テクノパークでは一人50万円、上限が1億円となっています。実際、金沢テクノパークへ立地する企業は大企業や大手企業です。渋谷工業は、今回の助成金が7回目となります。今回を含め合計13億6900万円にのぼります。一部の企業に巨額の税金を投入することには、市民の理解を得られるものではありません。よって、今回の企業立地助成金には反対です。

次に、請願・陳情についてです。
請願第10号「安保法制と安保3文書の廃止を求める意見書」の採択を求める請願は石川県平和委員会事務局長の柴原和美氏から提出されました。
高市政権は、アメリカ・トランプ大統領からの要求にこたえ、防衛費の国内総生産・GDP比3.5%へと大幅に引き上げ年間24兆円にのぼる大幅増額をしようとしています。そのために、安保法制と安保3文書を年度末までに見直しをはかろうとしています。
平和を守り、戦争反対の立場からこの請願に賛成であり、付託された委員会での不採択との議決に反対です。
陳情第38号 議会傍聴者に対し市役所駐車場利用料金の減免・無料化措置をすみやかに導入することを求める陳情は、生活者目線で金沢方式を考える会の湯谷増男氏から提出されました。資料によると全国の62ある中核市において、84%に当たる52の市が駐車料金を気にせず、議会を傍聴できる現状です。
よって、この陳情は、議会・委員会への傍聴に市役所に訪れる際に、駐車場の利用料金の減免・無料化措置を求めるもので賛成です。金沢市において速やかに実施するよう求めます。この陳情が付託された委員会において、不採択との議決がされました。これに反対です。 以上で討論を終わります。

市民の命とくらしを守る取り組みについて

-広田議員
わたしは日本共産党市議員団の一員として以下質問いたします。

まずは、市民の命とくらしを守る取り組みについてです。地球温暖化の進行に伴い、世界各地で異常気象が増加しています。先日のネパールでヒマラヤの氷河に関連した可能性のある土石流、フランス、イタリア、スペインでは熱波、日本でも千葉や北陸、東海などで警戒レベル5の大雨が発生し、相次ぐ線状降水帯に見舞われました。世界には、地球温暖化対策として、パリ協定で掲げられた気温上昇を1.5度に抑える目標がありますが、2024年には単年で1.55度の上昇が観測されました。いま、私たち人類が英知を結集し、気温上昇を食い止められるのか、そしてどう対策をとるのかが問われる、まさに緊急事態です。

地球温暖化対策と市民参加について

そこで、本市の地球温暖化対策と市民参加について伺います。現在、金沢市では地球温暖化対策実行計画の改定が進められています。この計画は温室効果ガス削減目標や気候変動適応策など、行政、市民、事業者がそれぞれの役割をもって取り組むものとされています。まずは市長。この計画通り、地球温暖化対策について、市民のみなさんとともに考え、ともに取り組む必要があるとお考えでしょうか。伺います。

-村山市長
 地球温暖化対策につきましては、市民、事業者、行政、ともに考え、それぞれ主体的に取り組む、相互に協力連携していく、ということが重要だというように思います。市としては地球温暖化対策実行計画に基づきまして、金沢市地球温暖化対策推進協議会を通じまして、広く市民のみなさま等のご意見をお聞きしながら、気候変動への対応に取り組んでいるところでございます。

-広田議員
いま、市民一人ひとりが、これまでにない暑さや豪雨を通じて気候変動を肌身で感じ、不安や関心を抱いています。こうした中、市民が気候変動について学び、異なる立場の市民同士が議論し、政策提言を行う「気候市民会議」を開催し、実行計画に活かしてはいかがかと考えます。無作為抽出などによって幅広い市民に参加してもらい、専門的な知識を学んだうえで議論することで、市民の実感に根ざした計画にできるのではないでしょうか。推進協議会のお話もありますけれども、既存の会議は幅広い市民が参加する気候市民会議とは性格が異なり、2つの会議は両立もできると考えます。いかがでしょうか。

-村山市長
本市の地球温暖化対策実行計画の改定にあたりまして、現在市民、事業者、行政および学識者の協働組織であります金沢市地球温暖化対策推進協議会での議論をもとにしてeモニターによるアンケート調査をふまえて、骨子案を取りまとめたあと、パブリックコメントを実施し、市民のみなさまのご意見を幅広くお聞きすることとしております。さらに議会にも報告をするほか、本市の環境の保全を図るための諮問機関であります金沢市環境審議会でご議論いただくこととしております。気候市民会議、ご提案いただいたものについては開催を考えておりませんけれども、私が仙台市役所に勤めていたときに、環境教育と地球温暖化対策、それらをともに行う環境都市推進課長を務めておりました。その際に、市民との共同というところの重要性、非常に感じていたところであります。参考のご意見として伺わせていただければというように思っております。

-広田議員
参考にということですので、ぜひ気候市民会議も視野に、幅広い市民参加を求めていただきたいと思います。
次に、気候変動による影響や災害から、市民の命とくらしをどう守るのかについて伺います。ここからは、タブレットの資料も随時ごらんください。

猛暑におけるエアコンの設置・使用について

まず、猛暑におけるエアコンの設置・使用状況についてです。今年は気象庁が「災害級の酷暑」「命を守る行動を」と警告し、本市でも猛暑日が続いてきました。金沢市では、8月までに234人が熱中症で救急搬送され、65歳以上が約58%を占めています。発生場所は屋内と屋外がおよそ半々です。さらに、令和6年度から消防局がエアコンの設置・使用状況を確認していますが、今年度、屋内で発生した111件のうち、エアコン設置なしが37件、設置していても使用なしが39件でした。実に68%がエアコンを使用していなかったことになります。市長。本市はエアコンの使用を啓発もしてきましたが、残念ながらエアコン使用のない中での熱中症が発生しています。この実態を前に改めて、エアコンが猛暑の中において市民の命と健康を守るために重要な設備であると認識すべきではないでしょうか。市長の見解を伺います。

-村山市長
ご指摘いただきました、エアコンを使用することなど、適切な室温管理をしていくということが、熱中症を予防するための有用な対策のひとつであると認識をしております。

-広田議員
マスコミや市民のパンフレット等からは、やや後退した市長のご意見のように感じますが。室温管理をする一手段ではなく、もはやエアコンはなくてはならない、命を守る設備だという認識を聞いています。お願いします。

-村山市長
エアコンを適切に使用することによって熱中症を予防し、そして救急搬送等を防ぐというためのエアコンの使用については、有用な対策であると考えております。

-広田議員
エアコンは熱中症予防にも有用だというお答えだと思います。そうであれば、市民のエアコン設置や使用状況を把握する必要があると考えます。熱中症搬送を住居での発生に限ると76件。そのうち、エアコン設置なしが15件、設置していても使用なしが36件でした。そして、その多くが高齢者です。金沢市は熱中症対策庁内連絡会を設置しています。消防局の調査をもとに、さらに踏み込んで、高齢者をはじめ生活困窮世帯等について、エアコンの設置状況をはじめ、実際に使用できているのか、設置・使用できない理由は何なのかまで、市として把握するべきではないでしょうか。伺います。

-山口福祉健康局長
高齢者世帯等に対しまして、エアコンが設置されているか、またエアコンを使用しているかどうかにつきましては、そこまでは把握はしておりませんけれども、民生委員が戸別訪問をする際に、熱中症は室内でも夜間でも発生しますことから、エアコンを適正に使用することであったり、クーリングシェルターのこと、喉が渇いていなくてもこまめに水分や塩分を補給することなどの、一般的な注意点の記載に加えまして、本市における熱中症の救急搬送者のうち、エアコンを使用していなかった方の割合という独自のデータも記載、これは議員から以前提案いただいたことを参考にしたものでございますけれども、こういったことを記載した熱中症予防のチラシを配布いたしまして、夏の暑さに対しまして十分注意するよう促しているところでございます。

エアコン設置補助制度について

-広田議員
民生委員さんの巡回であったり啓発もされているけれども、やはり私も最近実感として感じるのが、エアコンが設置されていない、使用できなければどんなに啓発してもエアコンが使えないという事実です。つまり、行政としてやはり市民の状況を把握し、必要な支援につなげるべきだと考えます。私が伺った中でも、「エアコンが苦手で切ってしまう」「電気代が心配で使用を制限している」というお声もあります一方で、「経済的な理由で設置できない」「故障しているが、修理や買い替えのお金がない」という切実なお声も多数寄せられています。本市のクーリングシェルター増設は歓迎します。しかし、そこまで行けない方もいるのが事実、夜間は利用できません。だからこそ、自宅で暑さをしのげる環境を整えることが重要だと考えます。これまでも私たち共産党市議団や社会保障関係団体から、低所得世帯等へのエアコン設置補助制度の創設を求めてきました。気温上昇が進み、エアコンが命を守るために不可欠となる中、全国では創設が進み、同じ北陸の中核市である富山市や福井市でも始まっています。金沢市もエアコン設置補助制度の創設に踏み切るべきです。市長の見解を伺います。

-村山市長
高齢者世帯等へのエアコン設置補助につきましては、効果的な支援のあり方、また市民間の公平性などを考慮する必要があるので、現時点では考えてはおりませんけれども、富山市・福井市を含めて助成を行っている自治体があることは承知をしておりまして、他都市の動向は注視していきたいと考えております。また、エアコンを設置していても使用していない世帯が非常に多くあるということ、そしてその救急搬送が多いということですので、まずは適切な利用についても周知をしていきたいと考えております。

-広田議員
ぜひ使用についても啓発をお願いしたいと思いますけれども、他都市がなぜ制度創設に踏み出しているのか。それは、市民の命を守るためです。市長は「公平性」とおっしゃいますけれども、エアコンはもはやぜいたく品ではありません。猛暑から命と健康を守るための、最低限の生活基盤です。その基盤を自力で整えられない世帯があるなら、行政が支援するべきではないでしょうか。いかがですか。

-村山市長
他都市の動向を注視してまいります。

-広田議員
来年もおそらく暑いでしょう。早い決断を求めたいと思います。命を守るためのエアコンには支援できない一方で、日銀跡地の購入には46億円を投じ、アリーナ建設の話まで今議会では出ています。限られた財源ならば、市民の命とくらしを守ることを優先するべきです。

避難所の環境整備について

次に、避難所の環境整備について伺います。熊本地震から1か月以上が経過しました。猛暑の中、発災直後は1万人近くの方が避難所で生活をしましたが、2016年の熊本地震とくらべても改善したとは言えない状況が報告されています。日本では大規模災害のたびに、避難所の雑魚寝、パンばかりの食事、不衛生なトイレという現状が続いています。自治体職員や関係者、ボランティアの皆さんが懸命に尽力されていることは承知しています。しかし、仕組みや予算、体制の問題が大きく、日本の場合、国は指針を示しますが、避難所の開設や運営の責任はあくまで「市町村」であり、実際の備品購入や管理も「市町村」に任されているのが現状です。一方、イタリアでは、発災後48時間以内にテント、ベッド、トイレ、シャワー、温かい食事などを提供する仕組みが「国レベル」で整えられ、日本でもそれにならいTKB48という考え方が提唱されてきました。そうした改善を求める声から、日本は2024年に避難所関係の指針・ガイドラインを改定し、スフィア基準を踏まえ、発災中期には20人に1基のトイレ、温かい食事、ベッド等の確保を自治体に求めるという段階に至っています。国の責任ももちろん問われますが、災害関連死を生み出さない、避難生活だからこそ市民が尊厳を持ってくらせるよう、本市としてもさらなる備えを進める必要があると考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長
災害発生時、避難所におきましてはプライバシーの欠如や衛生環境の悪化、電力や水の供給不足などの課題が生じてまいりますと、避難者の健康を脅かし、また感染症の拡大、災害関連死などの2次災害を引き起こすことにもなり得ますことから、避難所における良好な生活環境の確保等に努めることは大変重要と考えております。このため、地域防災計画の今年5月の第2次改定におきましては、避難者一人当たり3.5平米を確保するなどの避難所のあり方と、備蓄計画の見直しを行ったところであります。

-広田議員
それでは、備蓄計画のTKBについて伺います。森本・富樫断層帯による地震で、本市の最大避難者数は144,288人と想定されています。これに対し、現状の備蓄状況が公表されていますが、TKBの「T」、トイレは、携帯トイレ120,800回分、簡易トイレ1,578基で、避難者約91人に1基です。スフィア基準の20人に1基と比べ大きな隔たりがあります。「K」のキッチン、食料はアルファ米などの保存食が中心で、温かい食事の提供はどのように想定しているのでしょうか。「B」のベッドも、簡易ベッド3,833台となっており、到底十分とは言えません。そして、基本的に金沢市はすべて3日分の考え方で、そのうち市独自の備蓄は2日目の1日分としていますが、本市のTKBの備蓄目標、その考え方、具体的な備蓄・運用計画を明らかにしてください。

-山下危機管理監
携帯トイレや食料などの国が定める主要8品目の備蓄につきましては、発災後、国からプッシュ型支援等が到着するまでの3日間のうち、1日目は避難者への物資が行き渡るのに時間を要することから、原則家庭内備蓄をもって対応することといたしております。また、2日目・3日目に必要となる備蓄量につきましては、最低1日分を本市で備蓄し、残りを県及び近接の自治体等からの支援で賄うこととしております。1日当たりの備蓄量につきましては、国の定める基準に基づき算定をいたしております。今後5年間で計画的に整備をすることといたしております。なお、8品目以外のご指摘のベッドについてでございますが、国の定める基準がございませんので、本市では想定災害時要支援者数に対応する必要量を現在確保しているところでございまして、現段階において発災当日の必要数量は確保できていると考えております。

-広田議員
考え方はわかりました。私が不安なのは、1日目に個人備蓄が活用できない分はどうすかるのか。帰宅困難者などもいらっしゃいます。また、配備目標に到達するまで5年を要すると聞いておりますけれども、災害は5年を待たずいつ起きるかわかりません。備蓄計画を前倒しし、備蓄量も増やすべきと考えますが、いかがでしょうか。

-山下危機管理監
賞味期限などで更新が必要な備蓄品につきましては、前倒しで調達した場合に入れ替えの時期が特定年度に集中すること、また将来的に大量廃棄に繋がることから、現在、毎年平準化しながら計画的に整備していることをご理解願いたいと思います。携帯トイレや食料などの国が定める主要8品目の1日目の備蓄の確保に向けてでございますが、これまでも各ご家庭での家庭内備蓄の推進をお願いしているところでございまして、合わせて今後、避難所への食料の傾向、こういったことについても広く周知をしてまいりたいと思います。またベッドのことにお触れでございましたが、要配慮者以外のベッドにつきましては現在、国のプッシュ型支援、自治体間での支援で確保していきたいと考えております。

-広田議員
個人備蓄については、いざ非常時に自宅から持ち出せるのか、自宅以外で被災した場合はどうするのかという点で、今の備蓄目標では足りないと考えます。そして今おっしゃられた計画の目標値というのものが計画書に載っておりませんので、これはぜひ公表してほしいと思います。これは委員会に持ち越したいと思います。
さらに、今の計画ですと外部からの支援が前提となっているということです。しかし災害時に支援物資が予定どおり届くという確証はあるのか。また届いたとしても、保管するスペースや各避難所への配布体制が必要ですが、具体的な計画は立てられているのか伺います。

-村山市長
災害対策基本法に基づく国からのプッシュ型支援の仕組みはもとより、他自治体との災害時相互応援協定の中で、生活物資の供給活動といった応援の種類や、応援要請に基づく応援活動の実施などについて事前に取り決めておりまして、市への確約はこちらの中で取れております。今年度、市内全域での防災倉庫の適正配置を検討することとしておりまして、その中で既存の防災倉庫からの供給可能な範囲や配送ルート、さらに備蓄の必要スペースなどの精査も行ってまいります。

-広田議員
市民の命を守るため、実効性が発揮できる計画に、引き続き見直しを求めてまいります。

今冬の除雪計画と地域除排雪について

今冬の除雪計画と地域除排雪について伺います。気候変動において冬季は「ドカ雪」などの影響が懸念されます。金沢市は、市道において市が除雪する道路の割合が約4割と低く、改善を求める声に対し、「業者の掘り起こしや担い手の確保に努めている」としてきました。毎年10月下旬に除雪計画が発表されますが、今シーズンはどのような変更があるのか、除雪路線は増えるのか、明らかにしてください。

-木谷土木局長
現在、今年度の除雪計画を策定するために、本市の除雪委託業者へのアンケート結果の集計作業を行っているところでございます。また、様々な業者に対して、新たな除雪の委託業者の掘り起こし作業を進めるとともに、さらなる除雪作業の効率化を図るために、昨年度除雪車両に搭載しましたGPSデータの分析を行いまして、除雪業者間の除雪路線の組み合わせにも取り組んでいるところでございます。今年度の除雪計画につきましては、これらの作業を踏まえながら具体的な変更点、除雪路線の増減などの検討を進めまして、毎年10月に開催する道路除雪対策会議におきまして承認されたのちに、その内容をお示ししたいと考えております。現時点でお答えできないこと、ご理解願います。

-広田議員
では、町会からの除雪路線指定の要望について伺いますが、この要望が増えていると聞いています。例年と比べ、どの程度の要望があるのか。市民から寄せられた要望について、できる限り除雪路線に追加するため、具体的な対応を求めますが、市長のお考えを伺います。

-木谷土木局長
要望数とその対応についてお答えいたします。除雪路線の新規追加を求める要望は、町会など地域団体から様々なかたちで寄せられております。毎年同じ路線を要望される団体もありますし、複数の団体が同じ路線を要望するケースもございます。路線の延伸を求める声もございますが、昨年の大雪を受けまして、令和7年度と令和8年度を比較しますと、要望件数は37件から42件、約1割程度増えております。一方、これらすべての要望に対応することは、現状の除雪体制では、除雪委託業者やオペレーターの確保に限りがありますことから、大幅な除雪路線の追加は難しいと考えております。しかしながら、今後も新たな除雪業者の掘り起こしや、担い手確保に努めまして、またGPSデータを活用し効率化も図りながら、除雪作業の体制を強化し、可能な限り地域からの要望に対応できるよう努めてまいります。

-広田議員
一方、地域除排雪活動費補助についても利用が増えています。昨年度は約1億2,500万円余の補助となっています。市民からは、「ガソリン高騰などで委託費が上がっている」「山間部などで降雪量が多い地域は費用がかさむ」との声がありましたので、昨年度、上限70万円では不足した町会は何団体あったのか、地域によって降雪量、町会の面積、財力は異なりますので、一律の制度で十分とお考えかということと合わせて、道路管理者として市が担うべき除雪責任を考えれば、市が全部負担すべきではないかと、補助をすべきではないかと考えます。昨年度の地元負担は数千万円にのぼるでしょう。市長、いかがでしょうか、この2点、お願いします。

-村山市長
まず実績の方からなんですけれども、令和7年度地域除排雪活動費補助を申請したのは410町会でありました。昨年度は70万円に引き上げたところですけれども、その補助限度額を超過した町会は28町会、410のうちの28町会と聞いております。本制度につきましては、近年の除雪作業単価の上昇や、除雪に対する市民ニーズの高まりに加えまして、山間部と平野部では降雪日数や降雪量に地域差があることなどを踏まえて、昨年度限度額を50万円から70万円へと引き上げたところであります。この引き上げによりまして、補助限度額を超過した町会は約2割減少するとともに、町会が負担した金額についても減少しております。こうしたことから、地域の実情を踏まえた一定の制度改善効果があったものと考えております。こうした地域除排雪活動費補助ですけれども、本市の除雪計画の中では市民と事業者、行政がそれぞれの役割を担って連携・協働して取り組むことを基本としておりますので、地域で行う除排雪活動については地域のみなさまにもご協力いただきながら進めていくことが大切というように思っております。地域除排雪活動費補助については、これまで段階的に制度の拡充を図ってまいりました。その他の除雪についても、毎年度拡充をしてきたところであります。これは、除雪事業者あるいは市職員の努力によるところもあるかと思いますが、すべて市で負担するということではなく、地域のみなさまの負担にも配慮しながら、必要な支援を行っていく、そうしたことで冬季における生活道路の安全な通行の確保に努めてまいりたいと考えております。

-広田議員
市長、令和6年度から地域除排雪補助には国の特別交付税が充てられています。補助率を10分の10とすれば、その分も理論上は交付されることになります。市民や町会の負担を少しでも減らすため、使える財源を最大限活用し、全額補助に踏み出すことを求めます。

文教消防常任委員会で報告があった問題について

最後に、二つの問題について伺います。

末町地内で市が地権者同意を得ずに樹木伐採をしたことについて

まず、末町で地権者同意を得ずに樹木を伐採した問題です。市は辰巳用水隧道に影響をおよぼす樹木の伐採工事をしたといいますが、委員会で明らかになったのは、本命の史跡指定地区における許可変更申請もないまま、主に作業場だけを確保するような伐採工事だったというものです。しかも、地権者同意どころか、その場所の測量や地権者の調査すら行われていませんでした。それにもかかわらず、地元とのやり取りから地権者同意が得られていると認識し、工事を実施したというものです。市は今後補償するとしていますが、調停でどのような結論になるかはわかりません。いずれにしても、正式な地権者同意を得ないまま工事を進めたわけです。さらに新たな税金の支出もされようとしている、重大な問題です。まず、市長の認識を伺います。

-村山市長
このことにつきましては、地元地縁団体から樹木伐採工事に関する現状変更許可申請にかかる同意書の提出を受けました。そのことで、地権者を含む地元の方々の合意が得られているとの認識のもとで伐採工事を施行したものでありますが、結果として地権者の同意が得られていないことから、この事業の執行には不備があったものと認識しておりまして、大変重く受け止めております。また、一部の地権者からは民事調停の申し立てを受けておりますことから、今後その解決に向けまして真摯に対応してまいりたいと思います。改めて、職員に対して法令順守の徹底、そして適正な事業執行を指示したところであります。

-広田議員
地権者同意を得なかったことは市も認めているわけです。重く受け止めているわけです。つまり、私有財産権を侵害したということです。それならば、まずは地権者への謝罪があってしかるべきかと思いますが、されたのでしょうか。今市長も、市民に向けて、地権者に向けてするべきではないですか。お願いします。

-村山市長
事業の執行に不備があったということで、地権者の方々には大変申し訳なく思っております。

-広田議員
謝罪と受け止めます。
次は事実確認です。市は、地元からの同意書によって地権者の同意を得ていると認識したとしています。しかし、それにしてもその後、通常行うべき地権者本人からの同意確認を書面で得ることを怠ったと、これは認めている明らかな事実です。ただ、こんなことが起こりますか、と疑問を持っているわけですけれども、なぜこのようなことが起こったのか、検証されていると思いますので説明を求めます。

-津田文化スポーツ局長
本件に関しましては、現在民事調停を受けているところでございます。従いまして、本件にかかる経緯も含めまして、この場で民事調停にかかる内容について発言することについては、相手方および裁判所の許可が必要となりますことから、お答えできないことをご理解願いたいと思います。

-広田議員
私は調停の中身をを聞いているのではありません。庁内での予算確保の経緯を聞いているのです。その事実をあきらかにしてください、というだけです。委員会でも繰り返しありましたけれども、答えない。私は事実を隠ぺいというふうにしか思えません。しかも市長、出された資料を見ましたけれども、驚くことに4月に起案と決済された工事費は、木材が売れる前提で計算されているんですよ。地権者の同意もないのに、その他人の木材をお金に替えようとまでしていたということですよ。普通ありえないことじゃないですか。再度、事実をあきらかにしてください。

-津田文化スポーツ局長
今ほどのお問い合わせの件につきましても、現在民事調停中でございます。本件につきましては、弁護士とも相談・確認をしているところでありまして、繰り返しになりますが、民事調停を受けておりますことから、その経緯も含めまして内容を公表することにつきましては相手方及び裁判所の許可が必要でございますことから、回答できないことをご理解願いたいと思います。

-広田議員
ここは法廷じゃないんですよ。議会なんです。市民と議会に明らかにしてくれという話です。
では、答えられる質問をしますけれども、この事業は辰巳用水保全に関わる重要な事業です。しかしながら、当初予算の概要書にも載っておらず、少なくとも私はこの事業の存在に当初予算書では気づくことできませんでしたが、市長はいつからご存じでしたか。

-村山市長
本件につきましては、この事実について事後的に報告を受けております。

-広田議員
市長は「事後」ということですけれども、工事が終わった事後なのか、何の事後なのでしょうか。

-村山市長
工事が終わってから、地元の団体の方々からこうしたお話があるということを報告を受けました。

-広田議員
つまり問題が起きてから知ったということですか、それでよいですか。

-村山市長
問題となってから、事後的に承知をいたしました。

-広田議員
であるならば、本当にとんでもない問題かと思いますよ。課内だけで地権者同意も得ずに進めて、物事が明るみになってから市長も知る、ということです。私は、なにも答えられないのであれば、そして市長も事後知ったということであれば、第三者調査委員会を開くべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

-津田文化スポーツ局長
繰り返しになりますが、現在民事調停を受けております。弁護士とも相談しながら、この問題の解決に向けまして真摯に対応していきたいと考えております。

-広田議員
本当に、何も解明に繋がらないんですけれども、これから議会としての態度も問われるかと思いますので、またぜひみなさんお考えいただきたいと思います。
さいごに、同様の事案を防がなければなりません。先ほど市長が法令順守ということを言いましたけれども、これは一般論では済まされない話です。今回の問題特有のものとして、地権者確認の手続きを仕組みとして徹底する必要があると思いますが。何か手続きを改める用意はあるのでしょうか。

-津田文化スポーツ局長
今後、このような事案が二度と発生することがないよう、公共事業の執行に際しましては、法令等に基づく用地や権利関係にかかる諸手続きにつきまして、関係部局の連携・連絡・確認を密にしながら、法令順守の徹底を図り、適正かつ適切な事業執行に努めてまいります。

-広田議員
私はこんなことが起こったのでしたら、起案書には地権者同意がついてないわけです、それで回りますから、つけるべきだと思います。ご検討いただければと思います。

芸術創造財団の事業における不正受給について

最後に、芸術創造財団、アーツカウンシルの能登復興支援事業における不正受給について伺います。これは市民の税金が不正に扱われた重大な事案です。市長はまず、この問題をどのように認識しているのか伺います。

-村山市長
この度、金沢芸術創造財団が主体となる能登復興支援事業において、助成金の不正受給があったということ、誠に遺憾と受け止めておりまして大変重く受け止めております。事案の発覚後、財団に対しましては原因の調査と究明を徹底して行うこと、そして今後二度と同じことが起こらないよう、再発防止策を講ずるよう指導したところでありまして、市職員に対しても改めて法令の遵守、そして適切な事務処理の執行について徹底したところであります。事業の主旨としては、能登の復興に資するものですので、これ自体は悪いものではないと思いますけれども、事務手続きについてこうしたことが起こったことは非常に残念だと思っております。

-広田議員
ちょっと時間もないので端折りますが、データに委員会の資料が載っていますから詳しいところは見ていただいて、この不正受給には元財団関係者AとBが関わっています。特にAがということなんですけれども、悪質性がないという判断で、申請の手伝いを引き受けたけれども処理が追い付かなかっただけだという判断で財団は報告をしているんですが、こんなことだけで悪質性がないと判断できません。ちゃんと根拠を持ってお示しいただきたいと思います。市がこの財団の報告書を信頼した理由、お願いします。

-津田文化スポーツ局長
財団による調査では、能登復興支援事業を開始いたしました令和6年度および令和7年度のすべての申請者を対象とした実績報告書および領収書等の証拠書類の提出状況の精査、並びに数次にわたる関係者へのヒアリング調査を実施いたしまして、先般、調査結果を公表したところでございます。本市といたしましてもこの調査により、不正受給等の内容が明らかになったものと認識しており、また悪質性はなかったものと財団が判断しておりますことにつきまして、本市としても同様の認識をしているところでございます。

-広田議員
仲介役であった元財団関係者Bが、Aが領収書を作成するためにAから頼まれて全く関係のない人物の名前を提供したと説明しているのに、「悪質性がない」という判断の根拠が今の説明では全くないんです。そしてAやBの立場も明らかにしてもらえない。もっと解明するように、議会に報告するように求めて、終わります。

時間が足りずにできなかった質問


ただ、元財団事業関係者とされていますから、少なくともプロパー職員ではないはずです。財団はプロパー職員が少なく、有償ボランティアのような方々が多く運営に携わっていると聞いています。

そのため、業務と個人の活動との境界が曖昧になれば、今回のような問題が再び起こるリスクがあります。また、財団そのもののチェックがあまいのではないかというお声もあります。

市長肝いりのアーツカウンシルや財団への信頼を取り戻すためにも、この問題を個人の責任だけで終わらせてはなりません。

今回の問題について、財団という組織として何が問題だったのか、今後何をどのように改めるのか、そして市として財団にどのような指導を行うのか。具体的な対応を明らかにしてください。

-山下議員

発言の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。

教育プラザ富樫の再整備について

最初の質問は、教育プラザ富樫の再整備についてです。教育プラザ富樫は、こども未来拠点施設整備事業のなかで、三馬小学校移転後の用地に、学校教育センターと幼児教育センターを移転し、こども相談センターは現在の場所に留まる「分離移転」の整備方針が示されています。私ども会派はこれまでも、教育プラザ富樫の性質や役割を考えれば、現在の再整備の進め方に問題があると指摘してきました。金沢市は今年度、「こども未来拠点施設整備基本構想検討懇話会」を設置し、三馬小学校移転後の用地に整備する拠点施設の基本構想の策定をすすめています。有識者や保育・学校関係者、子育て支援・地元関係者、学生などで構成する懇話会の第1回目が8月24日に開催されました。第1回懇話会では、どのような意見が出されたのか明らかにしてください。

-木谷こども未来局長

第1回懇話会では、施設のコンセプトや必要な機能、配置などについて議論がなされ、委員からは教育プラザ富樫が担ってきた研修機能や相談機能をしっかりと維持・継承し、発展させていくことの重要性に加え、多世代交流がうまれる仕組みづくりや、施設配置における相談者への配慮、駐車場確保の必要性などについてご意見をいただいたところでございます。

-山下議員

私もこの懇話会を傍聴させていただきましたが、委員の中には、懇話会前にはじめて教育プラザ富樫を視察したという方も数名いらっしゃいました。教育プラザ富樫が保育所と一体的に整備され、多世代交流機能など新たな価値を付加することが示されていますが、教育プラザの3つの部署が密接に連携して果たしてきた今までの役割、そして今後の機能強化について、今ほど説明がありましたけれども、十分な議論できていたかということは、大変疑問に感じています。今後どのように基本構想が策定されていくのか、明らかにしてください。

-村山市長

移転を予定しております教育プラザ富樫については、元々教育と福祉が連携を図り、子どもたちの健全育成を一貫して推進するという目的で設置されました。その経緯を踏まえますと、子どもたちを取り巻く環境の変化にも対応すべく、保育所を併設した新たなこども未来拠点施設を整備するということにいたしました。この経緯を踏まえると共に、子どもたちを取り巻く環境の変化に対応して、新たな施設を整備することといたしました。今後、検討懇話会の議論と並行して、関係課で構成いたします庁内プロジェクトチームにおいて、子育て支援や幼保小連携など、機能強化に向けた取り組みの検討を行いまして、秋ごろ開催予定の第2回懇話会におきまして、基本構想の骨子案をお示ししたいと考えております。年度内の基本構想策定に向けて、作業を本格化させて参ります。

-山下議員

再整備の進め方についてうかがいます。教育プラザ富樫は「金沢子ども条例」の理念のもと、子どもの育ちを支える拠点として設置された施設です。したがって再整備においても「金沢子ども条例」にそって進めるべきだと考えます。「金沢子ども条例」第8条は、金沢市に対して、子どもの育成に関する施策を策定・実施する責務を課しています。施策を策定する際には、「市民の意見を十分に反映させるよう努める」こと、また、施策を実施する際には、「市民の理解と協力を得るよう努めなければならない」と明確に定めています。 

これまでの検討過程において、年間10万人を超える教育プラザ富樫の利用者をはじめ、子どもや保護者、学校・保育関係者、地域住民など、幅広い市民の声が、十分に反映されてきていたと言えるでしょうか。これまでの検討過程において、「市民の意見を十分に反映させる」という金沢市の責務をどのように果たしてきたのか明らかにしてください。

-村山市長

教育プラザ富樫の移転につきましては、これまで三馬小学校、三馬保育所を含めた南部地区の教育福祉施設の再整備を検討する中で、地域住民との意見交換を行ってまいりましたほか、庁内横断プロジェクトチームを中心に施設利用者の目線を踏まえ、検討してきたところであります。保育所は地域との関わりが非常に深いことに加え、地元の要望を受けて多世代交流機能を追加するということとしておりまして、地元関係者はもとより、施設利用者等のご意見を丁寧にお聞きして、基本構想に反映させるよう努めてまいります。

-山下議員

ご意見を聞いていくということですけれども、先日開かれた「まちづくりミーティング」では、教育プラザ富樫が位置する町会連合会からは、教育プラザ富樫の建物を交流拠点として活用できないか、災害時は防災拠点として活用できるようにならないか、という意見が出されました。教育プラザ富樫がなくなれば、南部ブロックの活性化につながらないという声でした。地元の意見を聞いてきたといっても、移転を予定している小学校、保育所がある一部の地域に偏っていて、本来であれば、長年教育プラザ富樫をそばで支えてきた地元からの意見もうかがうべきです。他にも、学校教育センターを利用してきた保護者からは、そだちの利用回数を増やしてほしい、現在15歳までになっている対象年齢を18歳まで拡大してほしいなど、教育プラザ富樫の機能拡充を求める声があります。市民からの意見、施設を利用する方々からの意見は、まだまだ存在しています。意見を言う場もなく示された教育プラザ富樫の分離移転が、市民の理解を得ているとは到底思えません。基本構想案を示す前に、研修で利用する教職員も含めた施設利用者や幅広い市民、そして何より施策の中心となる子どもたちが、施設の立地や必要な機能など、教育プラザ富樫の再整備について意見を示せる機会を設けるべきだと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

基本構想の策定にあたりましては、検討懇話会のメンバーの中で保育や教育の分野における有識者や、地元の関係者、それに加えまして施設を利用する子育て支援関係者、また学生等が参画しておりまして、幅広いご意見をいただけると考えております。また日頃から現場で利用者の声を聞いている教育委員会など関係部局とも連携をしながら、部局横断で検討を進めていくこととしております。先程申し上げましたとおり、地元関係者の方々もとより、施設利用者等のご意見を丁寧にお聞きして、基本構想を策定していきたいと考えております。

-山下議員

傍聴した中で、委員の方が意見を言っていますけれども、それだけではやっぱり組み込めない、声になっていない意見があるということです。現在の検討をみていると、老朽化した施設をどうまとめるかという視点が先行し、教育プラザ富樫が担ってきた専門機能をどう強化していくかという十分な議論が欠けているというふうに思います。新たに設置した幼児教育センターはどう機能してきたのか、金沢市独自の教職員研修はどのような成果を上げてきたのか、不登校支援や発達、療育の相談体制はこれまで通りでよいのかなど機能を検証し、教育と福祉の一体的な連携や包括的な子育て支援の中核を担ってきた教育プラザ富樫の今後の姿をしっかり描いて再整備をすすめるべきだと思います。改めてこども未来拠点施設整備の見直しを求めたいと思います。

こども性暴力防止法(日本版DBS)について

次に、「こども性暴力防止法」について伺います。性暴力は、被害者の尊厳を深く傷つけ、その後の人生にも極めて大きな影響を及ぼします。とりわけ、被害を認識したり、声をあげたりすることが難しい弱い立場にある子どもへの性暴力は、決して許されるものではありません。本来、子どもを守る立場にある大人による性暴力を防ぎ、子どもの安全を守るのは私たち大人の責任であり、行政にも課せられた重要な責務です。

2024年6月に「日本版DBS」創設を含む「こども性暴力防止法」が成立しました。この法律は、学校や保育所などの設置者に対して、職員の性犯罪歴の確認をはじめ、子どもへの性暴力を防止するための措置を講じることを求めています。今年12月25日の施行を控え、国においてもガイドラインや事業者向けマニュアル、関連システムなどの整備が進められています。

そこで、制度導入に向けた金沢市の状況について伺います。本制度では、学校、認可保育所、幼稚園、障害児施設などの義務対象事業者に対し、子どもと接する職員の性犯罪歴の確認が義務づけられます。一方、学童クラブや学習塾、スポーツクラブなどは、国の認定を受けることで制度の対象となります。

新聞報道によれば、5月に行われた民間調査では、性犯罪歴の確認が義務づけられる保育所など子どもに関わる施設の6割を超える事業者が、まだその準備に着手できていないと回答しています。6月議会でこども未来局長が、「保育施設と児童館については、7月末までに国のシステムへ事業者登録を行うことや、国から示されている規定の策定が遅れないように支援を行う」と答弁されていましたが、その後の準備状況を明らかにしてください。

-木谷こども未来局長

認可保育所や認定こども園などの義務対象事業者につきましては、犯罪事実確認の手続きに必要な事業者情報登録をすでに済ませていることを確認しております。

-山下議員

では、制度が義務づけられていない学童クラブや学習塾、スポーツクラブ、他にもユースセンターやこども食堂などの事業者やボランティア団体については、どのような対応をおこなっているのでしょうか。性暴力防止に関する研修や、事業者・団体が認定を受けるうえでの不安や疑問を相談できる窓口を設置することも必要だと考えますが、現状をうかがいます。

-木谷こども未来局長

こども性暴力防止法の施行に向け、保育所等の義務対象事業者のみならず、放課後児童クラブ等の認定対象事業者も含めた合同での制度説明会を、今月末にも開催することとしております。加えて、放課後児童クラブ協議会の定例会や研修会の機会をとらえて、継続的に制度案内を行うとともに、必要な事務手続きや様々な問い合わせにつきましても、丁寧なフォローアップを行っているところでございます。

-山下議員

制度導入によって生じる課題についても十分に考えておく必要があると思います。性犯罪歴の確認は、子どもの安全を守るためにたいへん重要です。しかし同時に、職員のプライバシーや職業上の権利にも関わります。確認された情報を誰がどのように取り扱うのか、また、職員に対する根拠のない偏見や差別につながらないようにすることも重要だと考えます。市として、個人情報の適切な管理や職員の人権への配慮を、どのように徹底していくのか伺います。

-木谷こども未来局長

犯罪という、非常に機微な情報につきましては適正に管理していくことが大切であり、万が一、漏洩などの重大な事態が発生した場合は、刑事罰が科されるだけでなく、民事上の損害賠償請求の対象となることが想定されます。このため、義務対象事業者と認定を受けた事業者においては、情報管理規定を整備することや、その情報を扱う者を必要最小限にとどめるなど、性犯罪歴に関する情報の適切な管理に取り組むことが求められており、市としてこのことの徹底を促してまいります。

-山下議員

制度が義務付けられている現場からは、制度の趣旨や具体的な対応について、職員一人ひとりが十分に理解する必要があり、その研修や、性犯罪歴の確認に関する報告事務など新たな業務がうまれ、負担が増えているとの声も聞かれます。そこで、制度の理解促進や実施において、職員の負担を軽減する対策を、市としてどのように講じているのかうかがいます。

-木谷こども未来局長

制度への理解を深めるため、今月末に対象事業者に対する制度説明会に合わせて、実際に従事する職員に向けて研修会の開催を予定しております。また、職員の負担軽減の一環として、施設のパーテーションやカメラ、人感センサーライト等、性被害防止対策にかかる設備や備品の導入経費を今議会においてお諮りしているところでございます。

-山下議員

性暴力の未然防止には、常に複数の目があることが重要とも言われています。施設が人員的な余裕をもって子どもと向き合える環境がつくれるように、現場の負担軽減に十分な対策をお願いします。

性犯罪で検挙された者のうち、約9割が初犯だということをふまえれば、過去の性犯罪歴を確認するだけでは、子どもへの性暴力をすべて防ぐことはできません。制度の手本としたイギリスでは、DBSの仕組みを包括的性教育と組み合わせて取り組んでいるということです。これまでも、性暴力の加害者を生みださないためには、人権としての包括的性教育が必要だということを求めてきました。今後、日本版DBSとあわせて、包括的性教育を性暴力防止策の柱のひとつとして位置づけて推進すべきだと考えますが、見解をうかがいます。

-木谷こども未来局長

性暴力を防止するため、保育士向け研修の中で包括的性教育について学ぶ機会を設けております。また今年度は、親育ちを支援する事業において、未就学児やその保護者を対象に、親子で学ぶ性教育をテーマとしたイベントの開催を予定しております。幼児教育、保育施設での発達段階に応じた指導や、保護者の理解促進をとおして、被害の防止に努めてまいります。

-山下議員

日本版DBSは、犯罪歴の確認方法や、対象となる性犯罪の範囲が限定されているなど、制度上の課題も指摘されています。金沢市としても実際に運用する中で、効果と課題を検証して、必要な改善を国に求めていっていただきたいと思います。子どもたちの安全安心を守るために、研修や人的体制、包括的性教育、被害を受けた子どもへの支援など、総合的な取り組みをぜひお願いします。

買い物応援商品券事業について

次に、商品券事業について伺います。金沢市では、買い物応援商品券事業が、経済対策、物価高騰対策、復興支援として繰り返し実施されてきました。今年度は41商店街、約2800店舗で実施されています。一方、これまで議会でも、商品券の買い占めや転売、地域による消費の偏り、事務経費の増大、不正問題など、さまざまな課題が指摘されてきました。

8月末、商店街組合に加盟していない店舗から、本事業への参加をめぐって市に申入れがありました。申入れによれば、非加盟店舗として、商品券の利用可能店舗への参加を希望したものの、商店街から「組合員以外の申込みは受け付けていない」と拒否されたとのことです。25年12月議会で経済局長は「なるべく多くの店舗が参加できるよう働きかける」と答弁しています。しかし今回のように、非加盟店舗が参加を希望しても、商店街側の判断によって参加できないケースがあるとすれば、金沢市が単に「働きかける」だけでは、非加盟店舗の参加機会を保障できないというふうに思います。非加盟店舗の参加について、市が直接、参加希望を受け付ける仕組みを設けるなど、制度の見直しを検討すべきだと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

金沢の買い物応援商品券事業につきましては、商店街が主体となって実施する制度としております。参加店舗については原則として商店街の構成員に限ることとしておりますけれども、商店街が認める場合は非加盟店でも参加できるということにしております。事業の実施にあたりまして、商店街を対象とした説明会におきまして、なるべく多くの店舗が参加できるよう働きかけているところであります。

-山下議員

「働きかけ」では参加ができないところがあるということで、ぜひ検討をお願いします。

また、今回の事業においても、「商品券が買えなかった」という市民の声を聞いています。購入希望者が多く抽選に外れた方、商品券を購入するだけの経済的余裕がなかった方など買えない理由はさまざまです。一方で制度上は、経済的に余裕のある方は複数の商店街で商品券を購入することができ、購入者が必ずしも金沢市民とは限りません。このように、利用できない市民が生じ、公平性の面で課題がある事業が、本当に市民の生活を応援する事業といえるのか、市の認識をうかがいます。

-村山市長

買い物応援商品券事業については、商店街がこれまで培ってきた運営ノウハウを活用できますとともに、食料品等の物価高騰が続く中で消費を喚起しながら家計負担を軽減できるという有効な取り組みであると考えております。様々な取り組みを各市町村の方で行われているというように思いますけれども、本事業として金沢市は採択しておりますが、これは物価高騰対策として行ったものでありますけれども、これの他にも住民税非課税世帯や子育て世帯に対する現金給付、またすべての市民を対象とした水道基本料金の無償化と合わせて実施したものであるということをご理解いただければと存じます。

-山下議員

商品券事業は、物価高騰の影響を受ける市民生活を支援するとともに、今市長も申されたとおり、地域の商店の利用を促し、地域経済を活性化するという目的もあるというように思います。そこで、事業本来の目的に照らすと、今話したように参加できない事業者がいたり、商品券を購入できない市民がいるというなかで、事業による効果がどの程度、地域経済に行き渡っているかということを市としてどう評価しているのか伺います。

-古谷経済局長

買い物応援商品券事業では、中心商店街や地域の商店街から、過去最多となる41商店街が参加しており、店舗数は2800店舗を超えております。今回の商品券の発行額は約20億円であり、経済効果は市内全域に及んでいると考えております。

-山下議員

現在の仕組みでは、商店街の規模による消費の格差や、非加盟店舗の参加が商店街の判断に左右されるなど、商店街が主体となることによる課題もあります。もちろん、商店街の自主性を尊重するということは大切です。しかし、公費を財源として実施する事業である以上、事業者や市民にもできる限り公平な事業であるべきだと考えます。例えば野々市市や羽咋市では、自治体が商品券を全市民に配布しています。こうした方式も参考にして、今後の商品券事業のあり方を検討していくべきだと考えますが、見解を伺います。

-村山市長

県内の市だけではなくて、全国的にも様々な形態の物価高騰対策等が実施されておりまして、全市民に対して商品券を配布したという自治体があることも承知をしております。これまでも様々な事例等を参考に事業内容を決定してきております。特に金沢の商店街については、地域コミュニティの中核のひとつとしても捉えておりまして、そうした中で地域の連帯性、そうしたことが高まってくることも期待しているところであります。引き続き、実効性、即効性、総合的に判断したうえで、施策に取り組んでいきたいと考えております。

-山下議員

この事業について、これまでは商店街などへの簡易なアンケートをしているということを伺っています。ただそうした簡易なアンケートで済ませずに、市民の声を聞きながら事業の効果検証を行っていただきたいと思います。

連節バスについて

最後は、連節バスについて伺います。公共交通は、安心して住み続けられるまちづくりの基盤です。市民が健康で文化的な生活を営むうえで欠かすことのできない重要なインフラだと捉えています。9月補正予算案では、民間バス事業者が連節バスを2台導入するため、総事業費2億7300万円のうち、金沢市が1億4360万円支援する予算が提案されています。そこで改めて、連節バスを導入する目的をお聞かせください。

-村山市長

連節バスにつきましては、第3次かなざわ交通戦略に基づくバス1台当たりの輸送量が高く、バス運転士不足対策の一助にもなるということで、導入に向けた準備を進めているところであります。今議会に車両導入にかかる予算をお諮りさせていただいております。

-山下議員

連節バスの運転には、高い技能と十分な習熟が必要とされています。そのため、連節バスを運転できる運転士を育成し、必要な人数を確保することが求められます。一方で、連節バス運転士の育成・確保が難しい場合、運転士の配置が限定され、かえって運転士不足を招くことも懸念されます。連節バス導入が、全体として運転士不足の解消につながるのか、見解をうかがいます。

-村山市長

おっしゃられるとおり、連節バスの運転には高度な運転技術が求められるということでありますが、安全に運転できるよう、現在走行環境の整備をまず勧めているところであります。また北陸鉄道におきまして、運行開始に向けて専門的な運転技能研修を重ねることにしていると聞いております。

-山下議員

連節バスは、一度に多くの乗客を輸送できるため、少ない運転士で大きな輸送力を確保できることがメリットの一つとされています。それでは、連節バス導入で輸送を効率化し、運転士に一定の余力がうまれた場合、その余力でこれまで郊外で減便されたバス路線の運行回復が見込めるのか、うかがいます。

-本島都市政策局長

連節バスは、1台当たりの輸送能力が高まり、運転士不足対策の一助になると思っております。路線バスの便数についてですけれども、今後の連節バスの本格運行の状況を見ながらになりますが、路線バスの持続可能性の確保に向け、北陸鉄道と協議していきたいと思っております。

-山下議員

次に、安全な運行について伺います。事業計画では、2027年度に実証運行を開始する予定となっています。実証運行開始までの具体的なスケジュールを明らかにしてください。

-本島都市政策局長

明年度の実証運行に向けて、現在安全な走行環境の確保に向け、必要な整備を行っているところでございます。北陸鉄道におきましては、連節バスの納車以降になりますけれども、実際に道路上を走行し、運転技能研修を重ねていく予定というふうに聞いております。

-山下議員

幅が狭い金沢の道を連節バスが走行するには十分な安全確認が求められます。また冬場の積雪や路面凍結など、通常とは異なる厳しい道路環境においても安全が確保されるのか確認が必要です。積雪や凍結時における走行の安全性についてどのように検証をすすめていくのか伺います。

-本島都市政策局長

連節バスの運行にあたりましては、安全性の確保が大前提であります。積雪時、また凍結時の冬期間におきまして、実際に走行する際には、道路の状況を確認し、交通事業者とともに運行の可否も含め走行環境の安全性を確保していくということにしております。明年度実施予定の実証運行の中で、走行の安全性を検証していきたいと思っております。

-山下議員

連節バスは車両の購入費や維持管理費、運転士の育成、さらには冬場の安全性など、導入前に十分検証すべき課題があります。金沢のバス路線に連節バスが本当に適しているのか、慎重に見極める必要があると考えます。そこで、車両を購入してからではなく、まずは実証運行を先行させて、その必要性と効果、安全性を十分に確認したうえで、連節バスの購入・本格導入の判断を行うべきだと考えますが、見解を伺います。

-村山市長

2019年のカーフリーデーの際ですけれども、周遊バスルートや金沢駅発着の平和町線などにおいて、連節バスの走行実験を実施いたしました。この際に私も乗車したのですけれども、今回導入するものよりも少し大型なのかなと思いながら乗車をしておりました。その際に走行環境、あるいはバス停の位置等についても確認したことを覚えております。先程答弁したことの繰り返しにもなってしまいますけれども、連節バスについてはバス1台あたりの輸送量が高く、バス運転士不足対策の一助にもなりますので、導入に向けた準備を今進めているというところで今回予算をお諮りさせていただいております。また、安全な走行環境を確保するため、必要な道路整備等を現在行っているところであります。

-山下議員

今回の予算から見ると、連節バスの総事業費は1台あたり約1億4000万円です。これはノンステップバス1台あたり約2500万円と比べても5倍以上の事業費となります。購入した後になって「実際に走らせてみたら運行を継続することは難しい」ということでは、市民の理解を得ることはできません。また、運転士不足が喫緊の課題ということであれば、運転士の待遇改善や働きやすい環境整備など、直接的な支援こそ重要だと考えます。乗客の多い路線に連節バスを導入し、そこに限られた運転士や財源が集中すれば、結果として郊外や交通空白地域との交通格差をさらに広げてしまうことも懸念されます。拙速な連節バス導入は、私たちは見直しをと求めますが、改めて見解を伺います。

-村山市長

今ほども答弁申し上げているとおりでありますけれども、運転士不足を解消するということが何より、これからの公共交通の維持に向けて大事な課題であるというようにとらえております。そうした中で、今回の連節バスの導入については1台当たりの輸送力が高まるということで、運転士不足についてその解決の一助になるものというようにとらえております。公共交通ネットワークを充実させること、それによって路線バスの持続可能性を確保することというのが何より大事という中で、今回整備を進めさせていただいております。ご理解をいただければというように思っております。

-山下議員

最後に、市民からは「高いバス料金を引き下げてほしい」「ふらっとバスのようなコミュニティバスを市内各地で走らせてほしい」「地域運営交通の地元負担を軽減してほしい」「まちなかだけではなくバス待ち空間に屋根やベンチを設置してほしい」など、様々な声が寄せられています。こうした市民の切実な要望を施策に反映すべきではないでしょうか。市民の生活実態と要求にそった公共交通施策を優先してすすめるべきと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

運転士不足の中で、ふらっとバスをいろいろ走らせていただきたいというご要望がある中、なかなか難しいことかというように思っております。ただ、そうしたふらっとバスであったり地域運営交通に関しても、持続可能な市民の足となるように、地域のみなさまの声には耳を傾けながら、ルートの見直しの検討、さらには補助率の加算などに取り組んできております。これからもご意見をいただければというように思っております。

-山下議員

公共交通は、単に多くの人を効率的に運ぶためだけのものではありません。高齢者や障害のある方、車を運転できない方をはじめ、すべての市民の暮らしを支える重要な社会基盤です。市民の願いにこたえる公共交通施策を強く求めて、私のすべての質問を終わります。

-森尾議員

質問に先立ち、熊本地震や水害による被害を受けた方々をはじめ、関係者にこころよりお見舞い申し上げます。

私は、日本共産党市議員団の最初の質問者として以下の質問を行います。

最初に、市民生活と営業をめぐる状況についてです。9月から値上げされた飲食料品が4923品目に上り、市民生活を直撃しています。資材高騰や石油関連製品などの値上がりが地域経済と営業に深刻な影響をもたらしています。市長は、こうした状況をどのように受け止めておられるのか、対策を打ち出されたのか、伺います。

-村山市長

中東情勢の不安定化、またエネルギー価格をはじめとする物価高騰の影響などから、景気の先行きに不透明な状況が続いております。このことが市民生活、また地域経済にも影響を及ぼしているものと認識しております。そのため本市といたしましては、地域経済や市民生活に支障が生じないよう、先の6月補正予算では国の交付金を活用いたしまして、エネルギー価格等の高騰による影響を強く受ける中小企業や福祉施設、低所得世帯への支援を盛り込んだ緊急所要の経費を追加いたしましたほか、今議会におきましても、中小事業者等への仕事出しに繋がる公共事業費を追加するなど、地域経済の活性化になし得る最善を尽くしております。

-森尾議員

物価高騰対策について伺います。羽咋市が全市民に1人当たり5千円の商品券を配布するとの方針を打ち出しました。国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、昨年1人当たり1万円の支給に続く対応です。小松市では5千円相当の独自のマイナポイントを市民に付与するなど支援が行われています。市長は、全市民に対する物価高騰対策を行う考えはありませんか。具体的には、今年3月から8月まで実施した水道基本料金無料化を再度実施する考えはないか、伺います。

-村山市長

物価高騰対策に対する各市町の対応の状況というのはそれぞれ、その自治体の事情を判断した中で行われているものというように判断をしております。そして今、具体的なご提案がございました水道基本料金の減免につきましては、国の重点支援地方交付金に加えまして、県から市町向けの支援金を活用してこれまで実施したものであります。財源に限りがある中で多額の財政需要が見込まれるすべての市民に対する水道基本料金の減免、これを市独自で延長することは難しいと考えておりますが、先の6月補正予算で措置をいたしました、低所得世帯向けの夏季光熱費の一部を支援する現金給付の長期実施について、進めていきたいと存じます。

-森尾議員

中小企業に対する支援について伺います。緊急の対策として、家賃やリース料金への支援、さらには電気・ガス料金に対する補助を行うなど、市内の中小企業の現状を把握し、要望をお聞きするアンケートを実施する考えはないか伺います。

-村山市長

現在、中東情勢の影響を受ける中小企業等の資金繰り支援、これに加えまして人材確保に向けた若年労働者の賃金引上げ、また生産性向上に資する先端設備の導入に対する助成金の交付に、鋭意取り組んでいるところであります。また加えまして、県と歩調を合わせまして中小企業等に対する夏季の電気料金等の助成についても、速やかに手続きを進めることとしておりまして、まずは6月議会でお認めいただきましたこの予算の執行に万全を期してまいりたいと存じます。市内の中小企業者等の経営状況につきましては、商工会議所をはじめとする経済団体からの意見聴取、また本庁舎に設置しております中小企業向けの特別相談窓口などを通じまして、現状把握に努めているところでありまして、現時点でアンケート調査を実施するまでは考えておりませんけれども、引き続きあらゆる機会をとらえて、地域経済の動向を注視していきたいと考えております。

-森尾議員

高市内閣が打ち出した消費税減税について伺います。来年4月から消費税の食料品8%を1%へ、2年間限定で実施するとしています。物価高騰対策にはならない、2年後には8%へ戻るとしたら大幅な増税となってしまう、実施するための財源をどうするのか、さまざまな問題が指摘されています。そして地方自治体にとっても、消費税減税に伴う財源の減収が予想されます。金沢市への影響額はどの程度か。その確保について見解を伺います。

-村山市長

県が公表した数値をもとに、飲食料品にかかる消費税率引き下げの影響額を試算いたしましたところ、通年ベースですが、地方消費税交付金が約19億円、地方交付税も約5億円の減収見込みとなりまして、本市の財政運営にも大きな影響を及ぼすものと捉えています。国に対しましては、地方の行財政運営に支障を来すことがないよう、国の責任において代替となる財源を確実に確保してもらうことを、市長会などを通じて強く要望してまいります。

-森尾議員

この項の最後に、高市内閣の暴走する政治にどう向き合うのか伺います。高市首相は、憲法9条の改正を掲げ、非核三原則をも見直そうとしています。すでに海外への武器輸出禁止を投げ捨て、戦争する国づくりへと突き進んでいます。来年度国の概算要求において、防衛費が過去最大の8兆8908億円にのぼっています。さらに、年末の安保3文書改定をにらみ、金額を示さない「事項決定」が盛り込まれ、防衛費は10兆円を超えるとされています。アメリカ・トランプ大統領は日本に対し、国民総生産・GDP比3.5%の防衛費を求めており、その規模は24兆円にも急増することになります。高市政権が進める戦争する国づくりに対し、戦争反対・平和と国民生活守れの声が全国に広がっています。市長は、高市内閣の暴走する政治にどう向き合うのか。見解を伺います。

-村山市長

外交や防衛面を含めた安全保障体制の強化については、我が国の安全と、国民の生命・財産を守るため、政府が責任を持って国会の場で十分な議論を尽くすべきものと考えております。一方で人口減少、少子高齢化や地球温暖化への対応、国土強靭化や長引く物価高騰の対策、地方創生の推進など、国・地方が抱える共通の課題であります。こちらについては本市としては国と歩調を合わせまして、地域の実情に即した施策を積極的に展開していくことが重要であると考えております。

-森尾議員

質問の第2に、水道料金の引き上げについて伺います。市長はこの議会の提案説明の中で、水道事業について「明年度より赤字に転じる見通し」だとして、「水道料金の引き上げについて判断」との表明がありました。市民からは「値上げラッシュで生活が大変なのに、水道料金まで引き上げなのか」と驚きと悲鳴の声があがっています。「赤字だから、料金引き上げ」これでは政治の責任は果たせません。やるべきことがあります。安くておいしい自己水を基本とする水道行政に転換することです。料金の値上げどころか、料金を引き下げることができます。市長。水道料金の引き上げはやめるべきです。見解を伺います。

-村山市長

地方公営企業であります水道事業につきましては、経済性の観点から、経営の効率化を十分行ったうえで、料金改定について検討することが基本であると考えています。企業局ではこの4年間で、2億7千万円の経費を削減し、経営の効率化に努めてまいりましたが、それでもなお物価や人件費、支払い利率の上昇などによって、来年度の赤字が避けられないという状況になりました。そうしたことから今回の、企業局経営審議会への諮問に至ったと報告を受けております。審議会の委員の皆さま方には、市民生活への影響にも十分配慮しながら、将来にわたり水道事業を維持していくため、広範かつ専門的見地からご審議をお願いしたいと考えています。

-森尾議員

公営企業管理者に伺います。年間の県水受水費は24億5472万円にも上り、年間総費用の3割となっています。一方、安くておいしい自己水が20万5千トン配水可能であるにもかかわらず、3割程度しか利用していません。自己水の単価に比べ3倍も高い県水を受け入れ、安くておいしい自己水を利用しないのか。市民にどのように説明されるのか伺います。

-松田公営企業管理者

夏季の渇水対策や災害発生時のことを考えますと、県水は水道の安定供給に必要だと考えております。その一方で、責任水量制が自己水の柔軟な活用に影響を及ぼすとともに、財政の硬直化を招きかねない構造的な課題を有しておりますことから、これまでも受水単価と責任水量の引き下げを、県水を受水している他の市町とともに要望しておりますほか、石川県市長会を通じても要望するなど、様々な機会をとらえて県に要望しているところでございます。その結果これまでに受水単価の引き下げを2回、責任水量の引き下げを1回、協定水量の段階的な引き上げの凍結を6回実現しております。

-森尾議員

令和7年度決算において、監査委員の意見書の中で県水受水費について次のように述べています。「費用に占める割合が高いことから、引き続き様々な機会を通じて県に対して受水単価及び責任水量の引き下げを働きかけられたい」と述べています。公営企業管理者はどのように受け止められ、解決に向けた取り組みをされるのか伺います。

-松田公営企業管理者

繰り返しになりますが、これまでも県水を受水している他の市町とともに要望しておりますほか、石川県市長会を通じても要望するなど、様々な機会をとらえて県に受水単価と責任水量の引き下げを要望しております。引き続き様々な機会を通じて県に要望してまいります。

-森尾議員

では伺います。去る8月4日第1回金沢市企業局経営審議会が開かれました。その諮問事項は「持続可能な水道事業運営と適正な料金水準について」としています。報告の中に水道事業における課題と題して資料が作られています。ところが、県水受水については全く触れられていません。公営企業管理者に伺いますが、県水受水問題は水道事業における課題とはならない、こう考えていらっしゃるのですか。

-松田公営企業管理者

水道事業では、主に高度経済成長期に整備された管路の更新や、令和6年能登半島地震の被害状況を踏まえた地震対策のさらなる強化に加え、中長期的には浄水場の改築工事も必要となってまいります。こうした課題に適切に対応し、持続可能な水道事業運営を実現していくうえで、不断の経営効率化に努めることが企業局の責務であり、水道事業においてこの4年間で2億7千万円の経費を削減してまいりました。引き続き、持続可能な事業運営の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

-森尾議員

答えていません!金沢市は県水受水契約を昭和54年11月に交わし、翌年度から10年間で19万5千トンの県水を受け入れることとなりました。あまりにも膨大な契約水量であることから、この間8回の変更をしてきました。責任水量制について、当初契約水量の7割でしたが現在6割となりました。しかし、この責任水量制が金沢市の水道行政に重くのしかかり、安くておいしい自己水をどんどん減らさざるを得なくなりました。年間の県水受水費は24億5472万円、県に支払っています。これが会計上大きな負担となっています。公営企業管理者はどのように受け止めていますか。水道行政を進めていくうえで、この県水問題は避けて通れないと考えますがいかがですか。

-松田公営企業管理者

繰り返しになりますけれども、これまでも県水を受水している他の市町とともに要望しております。石川県市長会を通じても要望するなど、様々な機会をとらえて県に受水単価と責任水量の引き下げを要望しております。

-森尾議員

現在の県水受水量は1日最大11万3220㎥であり、その契約水量が10年間延長されました。では、責任水量制によって膨大な県水を受け入れ、安くておいしい自己水を3割程度しか使わない現状は変わりません。これからも10年間、県水受水費として年間約24.5億円を支払い続けるというおつもりですか。見解を伺います。

-村山市長

県水の方との契約というところは確かにあるというように思います。そうした中で今回の審議会の中では、県との間の関係ということでお諮りがなされなかったものかというように思いますけれども、市としてはこのことを大きな課題だというように捉えております。県に対しては要望を続けていきたいと考えています。

-森尾議員

公営企業管理者に伺って市長が答弁されたようですが、じゃあ市長に最後に伺います。私の問いに、水道料金の引き上げはやめるべきだという質問にはまともに答えない。私は、自己水を基本とする水道行政に転換する必要がある、こう指摘をしました。自己水の3倍も高い県水を膨大に受け入れて、安くておいしい自己水を3割しか使わない。あまりにも不合理です。この問題を解決せずして、市民に水道料金の引き上げを押し付けるのは理解しがたいです。市民は納得しません。改めて、水道料金の引き上げはやらないと、市長の見解を求めたいと思います。

-村山市長

県水については、県内の市町村の水の需要の高まりと、地盤沈下あるいは地下水枯渇への不安から、昭和47年、本市を含めた13市町村から県に対して水源確保を要望して整備されてきた、そうした経緯があります。これによって夏季の渇水による給水制限が解消されることなど、県水を含めた3つの水源を確保することで、本市水道の安定供給が確保されているというように考えております。こちらから要望して整備をしていただいたものについて、要らなくなったから要りませんということ、それは責任水量という制度が設けられることの発端になったことなのかなというようにも想定しております。この責任水量については、自己水の柔軟な活用に影響を及ぼす、また財政の硬直化を招きかねない構造的な課題があるともとらえております。そうしたことから、安定的な3つの水源を確保していく中で、この責任水量の割合が高くなってきた、そうしたことを課題ととらえて、先月の石川県市長会で私から直接山野知事に対して受水負担の軽減を求めたところであります。水道料金につきましては現在、水道局経営審議会におきまして持続可能な水道事業運営と適正な料金水準についてということで審議が進められているところであります。今後その答申を踏まえて、適切に判断していきたいと考えております。

-森尾議員

市長は46万市民を代表する市長なんですから、市民の利益にとっていかなる対策をとるべきかっていうのを考えなきゃいけないんですよ。自己水の3倍も高い県水を膨大に受け入れて、安くておいしい自己水を3割しか使わない。そして、会計上に赤字が生じる可能性があるからと言って市民に水道料金の引き上げを押し付ける。到底、理解できないですよ。値上げをしない方策と対策をとるのが、あなたの責任じゃないですか。もう一度答弁をお願いします。

-村山市長

先程申し上げた通り、夏の渇水による給水制限が解消されることなどの、県水を用いることの利点もあるというところはご承知おきいただきたいというように思っております。その中で、責任水量が指定されているということが過度な負担になっている、そのことについては県知事に対して要望しているということであります。これから価格改定については審議会の方で検討されておりますので、それを踏まえて判断していきたいと考えております。

-森尾議員

質問の第3に、熊本地震から金沢市としていかすべき点について伺います。小中学校体育館におけるエアコン整備について、早急に進める対策と方針をとるよう求めたいと思います。今回の補正予算において、PFI手法、いわゆる民間企業を活用して整備する方針を打ち出しました。その内容は、3年間で整備し、維持管理を含めて16年間の契約で、その費用は186億円との内容です。果たして学校施設整備にPFI手法がふさわしいのか、伺いたいと思います。第1は、学校施設が将来にわたって固定化されるのか。契約期間である16年間変わることなく施設が存在されるのですか。施設の改善や建て替えもありえます。教育委員会は統廃合を進めて来ていることから、学校そのものがなくなるということも予想されます。この点について、見解を伺います。

-安宅教育委員会事務局長

本事業にかかります実施方針、および同時に公表しました要求水準書におきましては、施設の改修や建て替えなどを想定した空調設備の移設業務も記載しておりまして、本市が指定する保管場所に一旦移設し、適切に維持管理を行うことで、改修や建て替え後の体育館で引き続き、今回設置した空調設備を活用することを想定しております。なお、学校の統廃合によりまして体育館が学校施設として利用されなくなった場合でも、引き続き地域開放や避難所として利用されることから、今回設置します空調設備は活用されるものと考えております。

-森尾議員

第2の問題は、整備期間が3年間です。この期間に資材の高騰も起こりえます。機材・器具の更新が起こります。維持管理期間が15年間に及びます。故障なども発生します。予想しがたい費用の発生が起こります。そのたびに、民間事業者から費用の追加が予想されます。子どもたちの安全を最優先して確保しなければならない学校施設が、民間企業に任される事態になりませんか。さらに災害発生の際の避難所の重要な施設が民間任せという事態では、市民のいのちに関わることだけに行政の責任が問われます。学校施設整備さらにその維持管理に直接行政が責任を果たす必要があると考えますが、この点は市長はどう考えますか。

-村山市長

本事業におきます実施方針におきまして、事業者との間の様々なリスク分担を設定しております。当該リスクを最もよく管理できる主体がリスクを適正に分担するということで、より低廉で質の高いサービスの提供ができること、これを基本的な考え方としております。さらに事業期間にわたりまして、事業の公共性・安定性・持続性を担保するため、事業者が提供する公共サービス水準をモニタリングすることとしております。屋内運動場等空調設備の整備と維持管理に民間活力を活用しながらも、本市職員等によるモニタリングを通じて本市がしっかりと責任を果たしてまいります。

-森尾議員

次に、活断層への対策について伺います。今回の熊本地震は、日奈久(ひなぐ)断層が動いて起きたというふうに指摘をされています。断層のずれが表に現れ、それに沿うように被害が集中しました。南九州自動車道に大きな損傷を引き起こしたのは、直下を走る活断層がずれたことによると指摘されています。活断層の上にあった学校施設などに被害が集中しました。地震発生が高いとされるSランク活断層の一つが森本富樫断層です。市長は、金沢市内に存在する森本富樫活断層に対する対策についてどう考えておられますか、伺います。

-村山市長

森本富樫断層帯では、最大震度7の地震が発生した場合、本市の被害状況については建物被害が6万棟におよび、死者は関連死も含め2千人を超える他、最大で12万6千人が帰宅困難者となるなど、極めて憂慮すべき被害予想がされております。被害を最小限に抑えるべく、事前防災に万全を期す必要があると考えております。本年5月には、地域防災計画の第2次改定を行いまして、スフィア基準に合わせた避難所のあり方、また備蓄計画を見直すとともに、孤立集落対策や帰宅困難者対策など課題への対応、また届出避難所制度の創設や防災倉庫の配置の見直しなどに取り組むこととしております。このほか、建物倒壊による道路閉塞を防止するための無電柱化、また緊急輸送道路沿線をはじめ、建築物やライフラインの耐震化など、ハード・ソフト両面での対策を進めているところであります。

-森尾議員

兵庫県西宮市では、活断層の影響を受ける恐れのある地域での建物建設に対して調査報告を求めています。神奈川県横須賀市では、活断層の上では建築物の壁面規制として活断層の中心から両わき25mずつには建築物は建てられません。金沢市として、森本富樫活断層への対策として何らかの方針を打ち出す必要があるのではないかと考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

ご指摘をいただきました一部の自治体などで条例などによって活断層を踏まえた建築制限を課していることは承知をしております。一方で、こちらについては財産権の制限にもつながりますので、慎重に検討すべきこととも捉えております。加えまして、地層や地質が一様でない森本富樫断層帯におきまして、地震の影響を想定した規制範囲の設定というのは困難でございますので、現時点では課題が大きいと捉えております。なお、能登半島地震における建築物被害に関する国の報告書において、具体的な建築物の耐震性の確保、向上方策について検討する、という旨が示されております。先般の熊本地震の被害も踏まえた今後の国の動向を注視していきたいと考えております。

-森尾議員

金沢市中心部における多機能ホール構想が議論され、市長ご自身も発言されました。先日行われた企画の中で市長は、自ら体験されたとしている香川県立アリーナを引き合いに「多機能ホールはまちなかに必要な施設」だと発言されました。そこで、私は先日、香川県立アリーナを視察してきました。202億円を投じた香川県立アリーナは、高松駅の近くの瀬戸内海を望む埋め立て地に建設されました。1万人コンサート・イベント開催をキャッチフレーズに、開設以来2年間、様々な音楽ライブ・展示会などが行われてきたとのことでした。市長はこうした施設が金沢市の真ん中に必要だと考えておられるのですか。伺います。

-村山市長

高松市に昨年2月にオープンいたしましたあなぶきアリーナ香川につきましては、私は香川大学大学院の勤務時にこの建設の当初の座長として務めていた、そのことで整備の検討に携わったということになりますが、今回開館を楽しみにしておりました。その後、先般、開館後の施設の近くを訪問する機会がありましたが、週末ごとにスポーツやコンサートが開かれて、周辺の商店街はじめ、まちに人が溢れる姿を目の当たりにしまして、多機能ホールが持つまちを変える力を実感したところであります。このような集客力のある施設があることによって、まちなかの求心力が高まること、このような事例をとらえてきたものであります。本年度実施いたします多様な文化活動の基盤に対する利活用ニーズの調査、これを6月の補正予算で計上させていただきました。この調査結果を踏まえまして、本市でどのような文化の拠点が求められているのか、こうしたことを調査しながら、今後の議論に臨んでいきたいと考えております。

-森尾議員

香川県立アリーナは2025年2月に開館しました。地下1階、地上2階建てで延べ約3万㎡の規模で、メインアリーナ、サブアリーナ、武道施設兼多目的ルームの3つの施設で構成されています。運営は指定管理者制度が導入され、その中には東京を拠点とするイベント会社が加わり、コンサートやイベントをマネジメントしています。週末を中心に利用が広がり稼働率は約9割に達していますが、維持管理コストがかかり、赤字となっているとのことです。経済的効果が強調されていますが、いわゆる「ハネムーン期間」が終われば、5年から10年程度で終息するとの指摘もあります。「夢のアリーナ」か「令和のハコもの」かという問いかけすらあります。市長、香川県立アリーナを引き合いに金沢市内の中心部に多機能ホールを作ることが、まちの賑わいを生み出し金沢市の発展につながると、こう考えていらっしゃるのでしょうか。伺います。

-村山市長

多機能ホールの構想については、先般行われました県民フォーラムの中で、本市の都心全体の活性化を議論した中で、国の合同庁舎の移転と合わせて提案があったものであります。私自身はこの類似の施設の整備に関わった経緯も踏まえまして、都心の新たな賑わいの創出に繋がる仕組みのひとつとして賛同したものであります。本市が持続的に発展していくためには、まちの顔ともいえる中心市街地の活性化は必要不可欠ととらえています。現在、都心軸の再興に向けた民間開発の促進、金沢まちなか芸術祭の開催、学生のまちなか回帰の推進など、様々な施策に取り組んでいるところでもあります。これからも時代の変化に合わせて、ハード・ソフト両面からの重層的な対策を講じていく、これが必要だというように思っております。

-森尾議員

香川県議会で、県議会議員からお話を伺いました。その中で印象的だったのが「夢のごとき時期はもうすぐ破綻します」との言葉でした。どういう意味か。瀬戸内海の向かいに位置する岡山市に280億円を投じて1万人規模のアリーナが2032年に建設されるとのことです。岡山市には新幹線が走っているし、ライブやイベントにわざわざ四国の高松市まで来てくれるだろうか。こんな競争の渦に入ってしまったら四国の発展は望めない、こういう指摘でありました。調べてみると全国で、スタジアム・アリーナ建設計画は実に76件に上っています。まさに日本列島がアリーナ建設に熱中しています。市長、金沢市もこれに加わるおつもりですか。見解を伺います。

-村山市長

多くの観客を収容できる多目的・多機能ホールの建設計画、全国で進められているということは承知をしております。この多機能ホールの構想については、繰り返しになりますけれども県民フォーラムの中で提案があったものでありまして、今後は官民連携でのまちづくりの協議体が設置されて、その中で多機能ホールの実現の可能性であったり、都心の新たな賑わいの創出に向けた仕組みなどについて、官民一体となって継続的に議論されていくものであります。私としては、本市のまちづくりという観点から、大きな関心を寄せております。

-森尾議員

現地に行ってわかったことなんですが、市長が香川大学在籍中に関わったと、それを誇っていらっしゃいますけど、建設途中に大幅な施設の改善を余儀なくされました。大失敗したんです。海風対策がなってなかったということで、建築費が190億円程度で済むはずが202億円まで拡大してしまったんです。県議はこういう指摘をされました。それほどの問題が香川アリーナにあるということも、合わせて指摘しておきたいと思います。同時に、びっくりしたことがありました。香川県立アリーナ周辺に1泊8万円のホテル建設が計画されているとのことです。世界的高級ホテルグループが来年・2027年に開業計画とのことです。県は、この事業に最大80億円の無利子融資を打ち出し、高松市は約3億円の支援を予算計上とのことです。一握りの利益のために、県民市民の税金が投入される事態に大変驚きました。

折しも、金沢美大が今年開学80週年を迎えます。戦後、初の金沢市長に就任した武谷甚太郎市長は、次のように述べています。「混乱の極みにある金沢を文化都市として発展させるため、市立美術専門学校の開校を決意する。」金沢の未来を見据えた決意が伝わってきます。市長。先人たちの思いについて、どのように受けとめておられますか。金沢の発展をめざして、どう構想を立てて、実行しようとしているのですか。見解を伺います。

-村山市長

今から81年前の武谷市長の決断、非常に大きかったものかと思います。そうした思いを引き継いで、しっかりと市政を担っていきたいと思います。

(クリックするとPDFが表示されます。)

私は、日本共産党市議員団を代表し、議会議案第3号教育基本法第14条第2項の運用方針及び認定基準の明確化を求める意見書の反対討論を行います。                          

沖縄辺野古沖での小型船転覆事故は、研修旅行中の高校生と船長がなくなり、高校生たちがけがをされるという重大事故となりました。ご遺族をはじめ関係者の皆様に心から哀悼の意を表します。事故原因の徹底究明を行うと共に、二度とこのような事故が起こらないよう対策を講ずることが求められます。

一方、今回の事故を受け、去る5月22日文部科学省は、研修旅行の学習内容が教育基本法第14条第2項に反するとして学校側を指導しました。この意見書は、このことに係って提出されました。

そもそも、教育基本法は、日本の教育に関する根本的・基礎的な法律であり、教育に関するさまざまな法令の運用や解釈の基準となる性格を持つことから「教育憲法」と呼ばれる場合もあります。憲法が制定された1947年(昭和22年)同じ年に公布・施行されました。そして、現在の教育基本法は、2006年(平成18年)12月22日、改正されたものです。

その前文では、「たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願う」とした上で、この理想を実現するために教育を推進するとしています。

この教育基本法は、18カ条で構成され、第1章から第4章までに分けられており、それぞれ「教育の目的及び理念」「教育の実施に関する基本」「教育行政」「法令の制定」について規定されています。

こうした内容をもつ教育基本法は、戦前の教育が軍国主義のもとで戦争へ子どもたちを送り出していったことへの深い反省のもとで、自主的で自由闊達な主権者を育てることを目的に制度化されたものです。

したがって、教育基本法第1条では、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と教育の目的について明記しています。

今回の事故を受け、文部科学省は、研修旅行の学習内容が教育基本法第14条第2項に違反するという対応を行いました。

この点について、元文部科学省事務次官の前川喜平氏は、「文部科学省が個別の学校の、個別の教育活動に直接指導するのは越権行為だ」と指摘し、「教育権の独立」は戦後民主教育にとって大切であり、文部科学省は教育内容に対し国家的な介入は抑制的であるべきだとの見解を示しています。

私どもは、この文部科学省の対応は、「教育内容に対する行政による介入」であり、許されることではないと見解を明らかにしています。

なお、2006年5月小坂文部科学大臣は、国会答弁の中で、「私は教育内容に対し国家的な介入については、政党政治ということでありますからこれは抑制的であるべきだというふうにおもっております」と述べています。

この意見書は、今回の事故を受け、文部科学省が、研修旅行の学習内容について教育基本法第14条第2項に違反するとの見解について「今回の認定の撤回を求める声もある」とし、あいまいにしたうえで、教育基本法第14条第2項の運用方針と認定基準の明確化を求めるに至っています。

教育基本法は教育の目的やあるべき姿を明記したものであり、この法に違反したかどうか判断し、罰則することを目的にしたものではありません。したがって、この法律の運用方針や認定基準は必要ありません。

戦後の教育は、二度と戦争はしないとの決意のもと、教育の自主性、教育権の独立を築いてきました。

よって、文部科学省は教育内容への国家的な介入については抑制的であるべきです。

教育基本法第16条は、「教育は、不当な支配に服することなく」と明記し、国、行政による教育への「不当な支配」を禁じています。

今回の文部科学省の判断について、上方平和教育研究所共同代表の平井美津子さんは、「教育基本法第16条が禁じている不当な支配ともいえる文部科学省の判断だ」と抗議の声をあげています。

一方、この意見書は、この法律の運用方針や認定基準を明確化することを要望しています。仮に、政府の思い通りの運用指針や認定基準が設けられると、国家による教育への介入を拡大する恐れがあります。

この意見書の内容は、教育基本法の求めている内容ともかけ離れ、教育関係者をはじめ、国民の願いに沿ったものではありません。

最後に、提案説明の中で、4人に1人が亡くなった沖縄戦の教訓から二度と戦争を起こしてはならない。との決意を述べられました。

戦前の教育が軍国主義のもと戦争へ子どもたちを送り出したことの反省から教育基本法がつくられました。今回の文部科学省のとった対応は、まさに国家的介入であり、断じて許さない立場を明らかにすべきです。

ところが、この意見書は、そうした立場とはかけ離れ、運用方針などを求めています。その点をあえて述べておきたいと思います。以上で反対討論を終わります。

私は提出者を代表し、議会議案第5号「非核三原則の堅持及び防衛費のGDP比3.5%への増額に関する意見書」について、提案理由をのべます。 

政府は1976年、防衛費を国内総生産GDP比の1%以内に抑えるという原則を確立し、日本は軍事大国にはならないという姿勢を政治的・外交的に示してきました。

しかし、2022年に策定された安全保障関連3文書を境に、日本の防衛政策は大きく転換しています。政府は2023年度から2027年度までの5年間で、防衛費をGDP比2%、約11兆円規模に拡大する方針を掲げ、2026年度当初予算では、GDP比1.9%に相当する10.6兆円が計上されました。その財源として、法人税やたばこ税に続き、2027年1月からは所得税の増税が予定されています。

さらに、高市政権のもとで、自民党は安全保障調査会の提言を取りまとめました。その中では、北大西洋条約機構NATO加盟国や、韓国、オーストラリアなどが軍事費をGDP比3~3.5%に引き上げる動きにふれ、「自国を守る覚悟のない国を助ける国はない」と強調しています。こうした各国の軍事費増額の背景には、トランプ米政権からの強い要請があることも見過ごせません。

仮に日本の防衛費がGDP比3.5%となれば、年間の防衛費は約23兆円に達すると試算されます。これは、国民一人当たり年間約20万円の負担に相当し、2020年と比較して5倍近い規模となります。このような大軍拡は、国民生活や社会保障、教育などに充てるべき財源にも大きな影響を及ぼします。

防衛費の大幅増額に加え、高市政権は武器輸出解禁を行い、さらに非核三原則の見直しにも言及しています。これは戦後日本の平和国家としての歩みと国際社会への信頼を揺るがすものです。

日本は戦後一貫して「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」という非核三原則を掲げ、唯一の戦争被爆国として、被爆者とともに核兵器廃絶を国際社会に訴えてきました。非核三原則は1971年以来、「国是として堅持する」との国会決議によって確認されています。

核兵器をめぐる国際情勢が厳しさを増している今だからこそ、日本は非核三原則を貫き、「核兵器のない世界」の実現に向けて積極的な役割を果たすべきです。

また、各地で戦争が長期化し、国際社会の緊張が高まる中、その解決を軍事力の増強に求めることは、かえって緊張を激化させ、軍拡競争の悪循環を招きます。日本に求められているのは、憲法第9条の理念を生かした平和外交を推進し、対話と外交による戦争終結に力をつくすことです。

この意見書は、国に対し、平和憲法のもと国是としてきた非核三原則を堅持するとともに、防衛費のGDP比3.5%への増額を行わないよう強く求めるものです。議員各位の賛同をお願いし、提案理由といたします。

私は、日本共産党金沢市議員団を代表して今6月定例月議会に上程されました議案24件のうち、議案第1号の一部、議案第7号、議案第8号、議案第22号の計議案4件に反対です。

その主な理由を述べます。

今議会は、村山市長2期目最初の議会であり、未来共創計画策定後の2年間である前進期の評価を踏まえ、今補正予算とも連動し、追加・拡充を図った施策が提案されました。

しかしながら、その未来共創計画については、市民から厳しい評価が下されたのにも関わらず受け止めや見直しについてはこれまでの政策を進めるうえで都合がよいように解釈し施策の見直しや新規事業の予算化を行っており、市民の願いを実現するものとは言えません。

金沢市、金沢市民全体を見渡し、安全安心のまちづくりや物価高騰や中東情勢で苦境に立つ市民のくらし、中小事業者応援の施策を進めるべきであるにも関わらず、議案第1号の補正予算では、中東情勢を踏まえた対策も不十分でありながら、都心軸再興に大幅な予算を割いています。

およそ7億3千万円の武蔵が辻A地区市街地再開発事業への支援費です。これは都市再生緊急整備事業の一環として、民間主導で進められている事業です。60m級のビルが3棟、低層に商業施設、高層にはそれぞれマンション、ホテル、用途未定の施設が入る予定とされています。私は、本会議で民間大手企業の利益の最大化を目的にマンションやホテルばかりが増えるまちづくりでよいのかと質しましたが、金沢市はホテルやマンションの受け皿を増やしてきたことで、賑わいの創出や定住人口の増加に一定の貢献をしてきたとしか答えることができませんでした。さらに、これまでの市街地再開発のつけを市民の税金で補っている実態やプレーゴの土地が民間に買われてしまったことについての反省や総括もありません。

さらに本会議では、森本・富樫断層の存在に加え、都市計画審議会での決定を受けていないことも明らかとなりました。市民の命と安全が確保できるのでしょうか。また、3棟のうち1棟の上層部分は用途未定とされている中で、ITプラザ武蔵の権利変換についても明確でないなど、市民へのさらなる負担への懸念は拭えず、今後の事業費も見込めないことなどから賛成できません。

また、かねてから申し上げている金沢港建設事業費についてです。

今回の補正予算におよそ3億7千万円が計上されました。この事業は大手企業コマツが進出し、大型機械を輸出するために大浜ふ頭を大水深岸壁に改良する事業とクルーズ船を金沢港に呼び込むとして無量寺岸壁などの改良事業として進められてきました。

結果、全体事業費は2006年から2036年までの30年間で622億円となる予定であり、そのうち金沢市の負担は115億円にのぼります。一部大手企業のために巨額の税金を投入することには反対です。

その一方で、市民に必要な公共施設の廃止や業務の民間委託、PFIの導入等の効率化や予算の削減が進められています。

市民センターについては、駅西市民センターの混雑解消のため、広岡の企業局内に市民センターを設置するとのことです。その一方で、近江町交流プラザの市民センターの廃止は行政サービスの縮小であり反対です。

障害福祉サービス事業所に対する運営指導業務の一部に外部委託を導入することに反対です。障害福祉サービスの運営指導は、サービスの質の確保や不正請求の防止、虐待など不適切な事案防止に関わり、事業者への助言・改善指導など、いずれも利用者の権利を守るために行政が責任をもって担うべきものです。小規模で軽微な業務を委託するとしていますが、業務を外部に委ねれば、行政の知識や経験の蓄積がされず、将来の指導力が弱まることも懸念されます。本来は、必要な人員確保と体制強化をすすめるべきです。

次期LED防犯灯管理運営検討費については、町会の防犯灯をLEDに更新し維持管理を行うESCO事業について、来年度末で契約が完了することから、今後PFIの導入検討を行うものです。しかし、この間の資材高騰や電気代の値上げによって、ESCO事業の見通しは厳しい状況となっています。PFIではその影響をさらに受けることとなり、リスク分担によって結局は市民の税金でそのツケを賄う恐れがあることから反対です。

同様の状況は、議案第22号「公共施設LED照明導入推進事業」においても現れ、PFIによる事業が始まり1年半で1%以上も基準金利があがったため、リスク分担によって今回の補正予算で事業費を増額するものです。わが会派が指摘してきたPFIのリスクが顕在化しているもとで認められません。

さらに今予算では文化スポーツ施設利用料金あり方検討調査費が盛り込まれ、「市民割引制度」という表現で施設利用料の引き上げの可能性も否めない状況です。

文化施設については、博物館法においては入館料等に関する無料の原則があり、採算ベースや受益者負担の視点からの料金設定はふさわしくありません。また、金沢市には「金沢市における文化の人づくりの推進に関する条例」があり、市民が多様な文化を鑑賞・体験できる機会の充実を掲げています。金沢市スポーツ文化推進条例では、「市は、スポーツ文化を推進するための施策を総合的かつ計画的に策定する」「市民や事業者、スポーツ関係団体の意見を十分反映させる」とあり、施設利用料だけを取り上げて検討することもふさわしくありません。今後、庁内のワーキングチームでの調査・検討や行政経営プラン推進委員会からの意見聴取を行い進めるとしていますが、市民に開かれた審議形態ではありません。

以上のことから、あり方検討調査費については同意できません。市民や誰もが身近に文化やスポーツに親しみ、その発展に寄与できてこそ公立施設の存在意義があります。

市民の理解と合意が得られていない事業に反対です。

子ども未来拠点施設整備基本構想策定費についてです。

この間の南部地区教育・福祉施設再整備事業においては、幅広い市民の意見が十分に反映されてきたとは言えず、特に、教育プラザ富樫の再整備が建物の老朽化の有無で分離されることは、これまで培ってきた子育て支援の拠点として、機能の役割を後退させるものです。この基本構想は、教育プラザ富樫を分離移転整備する方針のもと策定されるものであり反対です。

環境エネルギーセンター再整備基本構想策定費についてです。現在、西部と東部の2か所ある環境エネルギーセンターを西部1か所体制にして、新しい施設を西部に建設する方向性が打ち出されました。本市がごみの有料化を導入する際の市民への説明や東部環境エネルギーセンターの延命化をすすめる方向性から大きく転換するものです。これまで、庁内での検討にとどまり、議会に詳細な説明がされてこなかったこともあり賛成できません。

議案第7号「金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正」についてです。

金沢市内で本社機能の立地などに対し、税法上の優遇措置を行うもので、今回期間の延長が盛り込まれました。対象はいずれも大手企業に限られています。地域経済を支える地場の中小企業への支援拡充こそ求められており、議案に反対です。

議案第8号「金沢市児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正」についてです。障害児支援や医療的ケア児支援のための理学療法士等を活用すること自体は専門職が児童の保育・教育に関わるという点で同意はできます。しかし、多職種を保育士1名として換算することは保育士不足の対策として専門職への置き換えを進めることにつながりかねません。

また、あらたに主務保育教諭、主務養護教諭を設置することは、保育教諭間に上下関係を生むことになることや役割や責任が特定の教諭に集中することにもつながります。保育の質の向上には、保育士の確保や配置基準の改善が必要です。よって、この条例改正には反対です。

請願・陳情についてです。

請願第8号は「「防衛装備移転三原則」及びその運用指針を改定する閣議決定の撤回を求める」意見書の採択を求め、石川県平和委員会から提出されたものです。

高市政権は今年4月21日に「防衛装備移転三原則」とその運用指針の改訂を強行しました。これは国際紛争を助長する武器輸出は禁止するという、憲法9条に基づく国是を捨て去り、殺傷武器の輸出を全面的に解禁するというものです。

1976年三木内閣が「平和国家としての立場」「国際紛争の助長回避」を理由に宣言し、1981年の衆参本会議で武器輸出全面禁止を全会一致で決議し、国是としてきたものです。

今回の政府決定は、国会決議によって国是としてきた原則を、国会での議論もなく時の政権の一方的な決定で投げ捨てることは議会制民主主義を蹂躙するものです。

世界で無法な戦争が相次いでいる今こそ、日本は国際紛争を助長するのではなく、日本国憲法に基づく「平和国家」としての行動をとるべきです。よって、この請願に賛成します。

請願第9号「デジタル社会における『創造力』を育む教育体制整備に関する請願」についてです。

金沢市では、GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の整備やデジタル教科書の導入に加え、「デジタル科」の新設や生成AIを活用した授業を進めています。

しかし、デジタル機器の活用が授業の質を高めるとは限りません。教育の本質は、教員の教材研究や子ども同士、教員との対話を通じた学びにあり、デジタルはあくまで補助的な手段であるべきです。また、近視やネット依存などの健康面への懸念や、思考力の低下を指摘する声もあります。

さらに、協働的な学びを充実させるためには、ICT機器の活用以上に教員の増員や少人数学級の実現が重要です。

生成AIについても、偽情報の拡散や安全性への懸念が指摘されており、EUでは厳格な規制や監視体制が整備されています。一方、日本では活用推進が先行しており、慎重な対応が求められます。

以上のことから、子どもの成長・発達と健康を最優先に考える立場から、デジタル教育を現状のまま推進する本請願には賛成できません。

陳情第35号「金沢市の子どもの医療費助成制度において通院についても18歳まで完全無料とするよう求める陳情」についてです。

子どもの医療費助成制度の自己負担をなくすことは、経済的な不安を抱くことなく安心して必要な医療を受けられる環境を保障し、受診控えを防ぐためにも重要です。県内の金沢以外の市町はすでに完全無償化を実現させています。本市も早急に行うことが必要です。よって、本陳情に賛成です。

陳情第36号「市役所駐車場利用料金の減免を求める陳情書」は、生活者目線で金沢方式を考える会から提出されました。

この陳情は、金沢市議会の本会議および委員会を市民が傍聴する際に、金沢市役所・美術館駐車場および第二本庁舎地下駐車場の利用料金について、無料または割引の措置を行うよう求めるものです。

市民の政治参加を促し、市民に開かれた議会にするため、必要な対応であり賛成です。

以上の陳情・請願について委員会での採決結果に反対です。

以上で討論を終わります。

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